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 ≪指揮者からのメッセージ≫ 

指揮者
ホルスト・マイナルドゥス

1941年ケルン生まれ。ケルン音楽大学で合唱教育とオルガンを学び、教会音楽家と合唱指揮者として活動。また現在はケルン音楽大学の教授としてオペラ合唱及び オラトリオ・アンサンブルの指導にあたっている。

マイナルドゥス氏より(2005.9.18)

 4週間以上にわたる東京での仕事、演奏、生活の思い出は今なお非常に強烈です。あなたもお元気でいらっしゃること、そして今後のプロジェクト(例えばf−mollミサ)の作業がうまく進んでいることを願っています。
 あなたとガマちゃん、そしてスタッフの皆様、トランクに入りきらなかった楽譜その他を小包にしてお送りくださり、ありがとうございました。ここにも示されたような皆様の素晴らしいご配慮の数々には、私もケルンの合唱団員たちも非常に感銘を受けました。戦争レクイエムのライブ録音CDはとても嬉しい!近日中に時間を見つけて聞いてみたいと思います。
 東京での3つのコンサートと多くの練習は、私にとってまた忘れられない体験となりました。特に終戦60周年のレクイエムにおける国際的な大編成と協調的な音楽づくりは、深い感動を私に与えてくれました。このプロジェクトを実現したあなたの勇気と意志の力に感嘆し、私はケルンの合唱団スタッフとも話し合って、2008年か09年にケルンでこの作品の演奏会を開くために努力する決心をしました。できればあなたの団員の皆様との共演で。
 東京での演奏終了後、日本とアメリカの子供たちが手をつなぎあって入ってきた光景は、いつまでも私の心に残るでしょう。その場面を写した写真をたくさんいただきましたが、それを見れば、いかに音楽が人と人をつなぐものであるかが分かり、さまざまな問題が絶えず発生しようとも、この若い人々のために平和な未来が訪れるという希望を持たずにはいられません。
 このコンサートについて、新聞評その他、何か反響はありましたか?合唱団員の皆様、そしてスタッフの皆様に、私の心からの感謝と、ご多幸を祈る気持ちをお伝えください。またケルンの合唱団員のためにこまやかに心をくだいてくださった島原氏とホストファミリーの皆様には、特別に感謝申し上げたく思います。
 ケルンの合唱団員と日本のホストファミリーの皆様との親しい交流は、深いきずなを残してくれました。島原様の腕が早く良くなりますよう、お祈りしています。
 あなたのご多幸とご健康をお祈りしつつ、また遠くない将来に共同プロジェクトの機会があることを希望しています。
心からのご挨拶をこめて
ホルスト・マイナルドゥス


マイナルドゥス氏より(2005.7.30)

 第一次世界大戦中のある12月24日、前線で対峙した両陣営の兵士たちが戦闘を一時中止し、互いに「降誕祭おめでとう」と言葉を交わした。彼らは即席のクリスマスツリーを作り、布の端切れを縫い合わせた玉でサッカーに興じた。そして数時間後、指揮官の号令で、再び武器をとって相手にかかっていったのである − このときの戦闘の激しさは、当時の語り草になった。
 この考えられない場面を眼前に思い描くとき、戦争の無意味さが一層胸に迫ってきます。実戦に参加した兵士としてW.オーウェンはこう書き留めています:「詩人が今日為し得るすべては、警告を与えることにある」。私たちは音楽をする者として、彼のこの言葉に連なろうと思います。
  『戦争レクイエム』演奏において、(ブリテンが意図したように)2人の男声ソリストがかつて敵どうしだった国の出身であるだけでなく、合唱団と児童合唱団にもさまざまな国(日本、韓国、中国、アメリカ、ドイツ)から人々が集まったこと、そして声をそろえて戦争の無意味さを訴え、あまたの戦争犠牲者に思いをはせることは、私を内なる喜びで満たしてくれます。
 この音楽による追悼は、60年前、広島で、そして長崎で、恐怖と残虐というものの新たな次 元が明らかになった両日の間に行われます。この素晴らしい国で、ゲストとしてこの追悼コンサートを指揮させていただけることを、大きな栄誉と感じています。
ホルスト・マイナルドゥス

 
指揮者
トーマス・ザンデルリンク
ロシア生まれ(ドイツ国籍)父は巨匠クルト・ザンデルリンク。ライヘンバッハ響首席指揮者、ハレ州立歌劇場音楽監督を歴任。ウィーン国立歌劇場ではカール・ベームの死去に伴い「フィガロの結婚」上演を引き継ぐなど、オペラ指揮者としての評価も高い。

ザンデルリンク氏より(2005.6.22)

 我が親愛なる友へ
 東京でのコンサートが終わってほぼ1ヶ月が経ちました。 みなさんと過ごした日々や私たちのコンサートがどんなに楽しかったか、貴方にお手紙を書きたいとずっと思っておりましたが、あの素晴らしかった東京を離れて以来、昨日やっと自宅に帰ることができました。(あれからモスクワ、ノヴォシビルスク、パリへ行かなければなりませんでした。)
 東京では、郡司先生のおかげで非常によく訓練の行き届いた合唱を楽しみました。先生にまたお会いできたことは大きな喜びでした。素晴らしいスッペのレクイエムのために来日するよう求められましたが、その曲は私にとって実に新しい発見でした。
 郡司先生と前川氏により育てられたオラトリオ・シンフォニカ・Japanも非常に優れたものです。素晴らしいソリスト達。
 今ちょうど、コンサートのライブCDを聴いたところです。関係した全ての人々のクオリティの高いこと、コンサートのレベルも見事であることを証明しています。
 皆様に呉々もよろしくお伝え下さい。
 また、お会いして、共に音楽を作ることをいつでも楽しみに待っております。

 トーマス・ザンデルリンク
 
指揮者
オンドレイ・レナルト
元スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団音楽監督。2004年9月ドヴォルザーク没後100年のシリーズで共演。大成功をおさめた

レナルト氏より(2005.1.12)

 尊敬する郡司さん、 60歳のお誕生日を心からお祝い申し上げます。健康と、幸福と、芸術面でのたくさんのご成功をお祈りします。あなたの活力、エネルギー、そして外見からして、実際の年齢を当てることはできませんね。素晴らしいことです。「老紳士クラブ」にようこそ、と喜んでお迎えしますが、これまでの年月の跡を感じさせないあなたには、生年月日の記録の方が間違っているのではないかと思わせられます。
 あなたとの共演の数々を楽しく思い出します。それはいつも私にインスピレーションを与えてくれ、また何より友情あふれるものでした。あなたは、芸術においては妥協を知らず、しかも同時に(これがとても大事なことだと私は思っていますが)広い心をお持ちの、素晴らしい合唱指導者です。どんな作品でも、あなたが合唱団を訓練すれば、いつも完璧に準備ができていて、音楽的感情表現も見事です。このようなことが可能なのは、豊かな心と卓越した才能を持つ人間だけなのです。
 私たちが共に体験し達成したすべてのことについて、ただ感謝と感嘆の気持ちが私の中を駆け巡ります。 親愛なる郡司さん、確かな健康と、情熱と、成功をお祈りします。それによって、あなたがこれからも末長く、このような感嘆すべき熱意をもって合唱団を未来に導いて行かれますように、そしてまだ実現していない夢があれば、それがすべて満たされますように。
 あらためて、お誕生日おめでとう。
 オンドレイ・レナルト

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