≪ある映画の記者会見で〜新聞記事の抜粋から≫
「映画の若者たちは愛する人を、家族を、国を守るために死を覚悟して出撃しましたが、あなたは愛する人のために死ねますか?」戦争末期、沖縄への海上特攻で三千数百人の命とともに、南海に沈んだ戦艦大和を描く戦争映画の大作「男たちの大和(YAMATO)」(東映、監督佐藤純弥)の記者会見(17日)でのことである。
若手俳優はさすがに即答出来ず、それでも「愛する人のために死ねます」と答えた。
そのあと佐藤監督の番がまわってきた。彼はいった。「違う。家族や国を守りたかったら、戦争をしないことです。いまそのために何をすべきか、ぜひ考えてほしい」。
これから10年私達はこの二つの道のどちらかを選択しなければならないのだろう。人々の心に音楽を宿す仕事をしている私たち音楽家にとって、その心が宿る肉体を単なる肉の塊に分散してしまう殺し合いなどあってはならないのである。
私は迷うことなく佐藤監督の道を歩まざるを得ない。(郡司)
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