99 ザルツブルグ公演

[プログラム][ザルツ紀行]


参加された方から、公演/観光/音楽会 の様子を、寄せて頂きました。

8月11日(水)
   いよいよザルツブルグへ向けて出発。
 この日ヨーロッパでは今世紀最後の皆既日食。飛行機の窓から見える空がちょっと暗い だけで「日食かなあ」などと期待したけれど、ロシア上空で見えるはずはなかった。残念。 ちなみにザルツブルグでは、ホーエンザルツブルグ城やザルツァッハ川の川岸で、大勢の 観光客が完璧な皆既日食を楽しんだそうです。
 そしてアムステルダムでKLM ALPS に乗り換え。これぞ、噂に聞いていたプロペラ機。あ まりの小ささに驚き、また操縦席のドアを開けたままでのフライトは、日本でのハイジャ ック事件の直後だっただけにちょっと恐ろしかった。飛行機の乗客が30人位だったので、 荷物の引き取りもスムーズ。パスポートチェック・税関も無きに等しく、なんとなくあっ けないザルツブルグ到着でした。
8月12日(木)
 朝目が覚めた時に 涼しいぞ!と思ったら、テレビでは「ただいまの気温 13℃」。長 袖をかかえて、モーツァルト「レクイエム」の練習会場へ。

 午前中は大聖堂(ドーム)の音楽監督ツィフィラ先生による、日本の合唱団向けの練習で す。ドームの残響(7秒)を生かした歌い方、表現方法についての解釈がとても新鮮でし た。初めてのモツレク(今回が初ステージでした)でモーツァルトの総本山であるドーム で歌い、しかもツィフィラ先生の指導が受けられるとは、なんて贅沢なのでしょう。
 午後は観光タイム。ザルツブルグ音楽祭事務所でコンサートのチケットを入手後、メン ヒスベルグへ。丘の上から見下ろす旧市街の古い趣が残る町並みはとても素晴らしかった。 緑の中をホーエンザルツブルグ城まで歩き、旧市街へ戻ってきました。

 昼食にウィーンナーシュニッツェルもどきを楽しんでからミラベル庭園へ。ちゃんと歌っ てきました「ドレミの歌」。庭園のお花も見事でしたが、宮殿にあるモーツァルトも演奏し たという広間に響いた友達のソプラノの美声は忘れられない!
 夜はドームで、ドームコアーとの合同練習。2曲とも練習しました。練習中に両合唱団 のマリアツェルミサの楽譜が一部異なることが判明したけれど、ドームコアーがその箇所 だけ私たちの楽譜を見ることで解決(?)。

8月13日(金)
 今日はレクイエムの本番の日
 午前中はザルツブルグ郊外の「ヘルブルン宮殿」へ。水の仕掛けが評判の庭園で、「びし ょぬれになるよ」などと色々脅かされていたけれど、話に聞いていたよりも盛り上がらな かった。ちょうど雨が降りそうな天気だったので持ち合わせの傘をさしてしまう人もいま した。

 午後は新市街を散策(三位一体教会→モーツァルトの家→ホテル横のレストランで遅め の昼食→ザンクト・セバスチャン教会)してからホテルで小休憩後、本番に向けて旧市街 へ。集合時間より早めに着いたので付近を散策していたら、噂に聞いていた、ドーム前の 広場Domplatz 中央のマリア像に冠を載せようとする、ドームに装飾された3人の天使達の 姿を見ることができました。その様に見える場所は1ヶ所だけ。その場所を見つけてマリ ア像を見上げた時は感動ものでした。

 そして発声練習後ドームへ移動。今回のドームコンサートでは、合唱団でのザルツブル グ公演ではじめて、祭壇の上にあがっての演奏です。ティンパニ奏者が祭壇に上がるとき に、正面に向かって十字架をきっていた姿が印象的でした。会場は満席で立ち見がでるほ どの入り。ドーム一杯に柔らかく包み込まれるように音楽が響いていました。今まで感じ たことのない不思議な感覚でした。
 本番終了後に居酒屋シュティーグルケラーで行われた打ち上げでは、一通りの歓談後、 ツィフィラ先生始め各ソリスト・郡司先生からのお言葉や、今回はじめて海外公演に同行 された郡司先生の奥様の紹介がありました。

8月14日(土)
 当初予定されていた今夜のマリアツェルミサの練習がなくなりました。 音楽祭のシーズンでもあり第一希望の宿に連泊できず、ここでホテルを移動してから、楽 しみにしていたザルツカンマーグートへ。

 ザルツカンマーグートへはバスで移動。ミラベル庭園前のバス乗り場での待ち時間に、す ぐそばの教会(ザンクト・アンドレー教会)へ。折良くパイプオルガンの練習中で、柔ら かなステンドグラスの光を見ながら厳かな気持ちで聞いてきました。そういえば、昨日の セバスチャン教会でもパイプオルガンの練習中だったっけ。
 カンマーグートでは行きたい箇所を絞る事に苦労しただけに、バスの車窓からでもフシュ ル湖やヴォルフガング湖の眺めを楽しめて良かった。バートイシュルでは、バスの待ち合 わせが1時間あったので、町の中をブラブラ。とてもこぢんまりした町でした。もう少し ゆとりがあれば、温泉にも入れたのにな。
 ハルシュタットではケーブルカーへ乗って塩坑へ。ここはザルツブルグ最古の塩坑で、 現在も稼働中です。おかしな作業服を洋服の上から着て、トロッコに乗って坑内へ出発。 作業通路を歩いたりすべり台を降りたりしながら、1時間ほどかけて見学してきました。
 そして夜はモーツァルテウムでコンサート(アーノルド・シェーンベルグ合唱団 & ポ リーニ)。カンマーグートからの帰りのバスが遅れたため、モーツァルテウムへは開演ぎり ぎりに到着。それでも合唱団のアカペラは言わずもがな、素晴らしいものでしたし、ミニ コーラスの曲では全員が音叉をもって登場し、聴衆の予想をことごとく裏切るような音を 見事なまでに歌っていました。ポリーニの演奏もほんと素敵でした。 宿の近くのピザ屋さんで遅めの夕食をすませてからホテルへ帰りました。

8月15日
 今日はマリアツェルミサの本番の日。ドーム近くの会場でオケ合わせをしてから、ドー ムへ移動。聖母マリア被昇天祭のミサには、ドームコアーと共に、2階にある大きなパイ プオルガンがそびえる聖歌隊席から参加。ツィフィラ先生の指揮の元、厳粛なミサの進行 にあわせて歌ってきました。歌っている時は必死でしたが、ミサの後奏でヨーロッパ最大 級と言われるパイプオルガンが最大音量で響いていました。その響きを間近で聞いている 内に、ドームでしかも重要なミサの中で歌ったんだ! という感動がフツフツを湧いてき ました。

 キャピタルプラッツ(滞在中、合唱団の練習・控え室としてお世話になった部屋)で解 散式の後、旧市街観光(レジデンツ→ドーム博物館→「ノッケール」を食べて→モーツァ ルトの生家→shopping time)。

 そして、夜のザルツブルグ音楽祭での「ドン・ジョバンニ」は、今まで聞いた音楽の中 で一番素晴らしかった。演出は多少奇抜な感じもしたけれど、マゼール指揮ウィーンフィ ルのアンサンブルやソリストは一切無駄な音のない演奏。さすが、本場は違う、とただた だ感心ばかりでした。

8月16日(月)
 スパーで買い物後、ブレゲンツへ向けて出発。大雨の中、いきなりバスに乗り換えさせ られたり、ブレゲンツ直行でないことが判明し、慌てて電車をおりたり。結構大変だった。  ブレゲンツの宿は今回の旅で一番素敵でした。ボーデン湖のほとりのお花はとても見 事!湖上オペラのステージはシンプルでしかも奇抜。広げた本を骸骨がのぞき込んでいる。 本にはダンスのステップが印刷されていました。

 そして道中で降っていた雨はブレゲンツでも降ったりやんだりで、オペラが始まって1 5分もすると大雨に。コートを頭からかぶって目だけ出して楽しんできました。でも雨は やむ様子がなく、逆に雨足は強まるばかり。そして開演から1時間ほどでpause。結局、野 外でのオペラはここで中止となり、その後会場を室内に移して2部からスタートでした。 雨の中でのオペラ鑑賞は残念でしたが、音響的には室内のほうがずっと良かった(外はス ピーカー使用)ので、湖上オペラの雰囲気と音楽の両方を楽しめてよかったかな。野外オ ペラは約4000人収容に対し、室内は1600人程度。これも旅行会社の方が室内に振 り替えできる席を押さえておいて下さったおかげです。感謝。

8月17日(火)
 今日は今回の旅行の最終日。束の間のブレゲンツを後にして、インスブルックへ。飛行 機の時間までインスブルック市内を観光(凱旋門→ゼルヴィーテン教会→アンナ記念柱→ 黄金の屋根→イン川のほとりで昼食→ドーム(聖ヤコブ教会)→宮廷教会。

 インスブルックは半日ほどで観光できる小さな町です。遠くにはザルツブルグよりも高 い山がそびえ、ドームのバロック調の内装は絢爛豪華。ザルツブルグから電車で片道約2 時間。日帰り出来る距離なので、今度機会があったらぜひ皆さんにもお勧めしたい場所で す。


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