カール・フォン・マリア・ウェーバー作曲《魔弾の射手》
東京アマデウス管弦楽団 第60回記念演奏会
合唱:新星合唱団(合唱指揮:郡司博)

 ウェーバー(1786〜1826)といえば、一般には妻に捧げた《舞踏への勧誘》でよく知られていますが、《魔弾の射手》もその代表的なオペラです。全曲を聞いたことのない人でも、「序曲」や「狩人の合唱」は耳にしたことがあるでしょう。
1921年に初演された《魔弾の射手》は、それまでドイツをも席巻していたイタリア・オペラに対抗して、ベートーヴェンの《フィデリオ》(1814年初演)とともにドイツ・ロマン派のオペラを軌道にすえた曲として高く評価されています。
 ドイツの古い民話をもとに作曲されたこのオペラには、かなりの台詞部分がありますが、今回の上演では曲の理解をたすけるため、台詞の部分はナレーターが解説して筋書などを分かりやすく朗読するとともに、ドイツ語で歌われる曲の部分にはスライドで歌詞の大意を伝えるようにしています。したがって、初めてこの曲に接する方も、オペラの内容がすぐに理解できることでしょう。⇒あらすじ


※今回の配役は、2003年4月4日にNPO「おんがくの共同作業場」が行った「ソリストオーディション」で選出されました。⇒詳細はこちら

〔あらすじ〕
 近隣随一の射撃の名手といわれるマックスは、このところなぜか調子が悪く、試射会では負けてしまいます。マックスは、翌日の射撃大会に優勝すれば、恋人アガーテと結婚できるうえ、アガーテの父が務める森林監察官の地位を世襲できるため、同僚のカスパールにそそのかされ、悪魔に魂を売る代償に魔弾を手に入れます。7発ある魔弾は、6発は確実に的に当たるのですが、最後の1発は悪魔の意のままになるのです。
 カスパールの陰謀で、魔の1発はアガーテに当たることになっていたのですが、森の隠者の助けでアガーテは救われ、逆にカスパールが魔弾に倒れます。そして、悪魔に魂を売った罪で追放されるはずだったマックスも、その罪を許されます。